つづきレディスクリニックHOMEピル(副作用・飲み方・処方・避妊率)
低用量ピルは避妊(ひにん)を目的としたお薬であり、正しく使用すると約99%妊娠を避けることのできる薬です。下記の表にいろいろな方法による避妊率を示します。
避妊法 | 内容 | 失敗率 | メリット | デメリット | 費用 |
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低用量ピル(OC) | エストロゲンとプロゲステロンというニつのホルモンを含む薬を飲むことで避妊効果を発揮する | 0.3~8% |
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毎日服用しなければならない | 初診約8,000円~ 1シート1,000円~3,300円/月 |
コンドーム | 薄いゴムのカバーにより性器を覆い、避妊する | 2~15% | 性感染症を予防することができる | 装着ミスなどにより失敗率が高い | 12個で1,000円~5,000円 |
IUD(子宮内避妊用具) | 子宮内に小さな器具を挿入することにより着床を防ぐ | 0.6~0.8% |
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40,000円~ |
IUS(ミレーナ) | IUDの進化版であり、黄体ホルモンを放出することにより避妊効果を得る | 0.2%~ |
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70,000円~ |
避妊手術 | 手術により精子や卵子の通り道をふさぐ。 | 0.5%~ | かなり高い確率で避妊ができる。 |
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300,000円~ |
表に示すように低用量ピルの避妊率はかなり高く、正確に飲むことができればほぼ100%の避妊率になります。 当院では積極的に低用量ピルを処方し、望まない妊娠をさけることをお勧めしています。低用量ピルには副効用(避妊以外にみとめられる効果)がたくさんあります。
定期的に内服することで生理の状態が良くなったり、生理量が少なくなることで生理周辺の時期に快適に過ごすことができるようになります。内膜症の診断を受けた場合には、進行抑制効果が期待できますし、内膜症の手術を受けた方は再発防止になります。
生理不順で困っている方は28日できっちり来ることが多くなりますので、仕事や旅行などの予定も組みやすくなります。生理前のイライラや頭痛が良くなることで生活の改善にも役立ちます。また、ニキビなどで困っている方も多くの方が改善します。このように避妊目的のピルにも様々な副効用があり、それを得られることが大きなメリットとなります。一方で性感染症の予防には効果がありません。
最近では性感染症のリスクの高い女性においてクラミジア感染のリスクが高いと報告されています。(OC・LEPのガイドライン2015より)一方で、HIV感染を含めその他の性感染症とピルの内服の間に関連があるとはいえないという報告もあるようです。(OC・LEPのガイドライン2015より)これらの感染症を防ぐためには低用量ピルとコンドームの併用をお勧めしています。また、このような感染症を早期に見つけるために定期的な検査を行っています。
生理痛がある方は保険収載されたLEP製剤(基本的には避妊用の低用量ピルと同じですが保険が効きます)が適応になりますので次項で説明いたします。
A:避妊用の低用量ピルは避妊を目的として使用され、一方、LEP製剤は月経困難症(生理痛や生理の量が多い、内膜症による症状)を良くするために使用します。薬剤により細かい差はあるものの、効果は基本的に同じです。
A:生理開始日を1日目として、3~5日目に内服開始してください。少なくとも内服開始後7日間は性交症を避けていただくことが重要であり、安定して内服ができるまでは(少なくとも1シート飲む間は)コンドームなどとの併用をお勧めします。
A:1錠の飲み忘れの場合には、飲み忘れた錠剤をなるべく早く内服し、残りの錠剤は予定通り内服してください。2錠以上飲み忘れた場合には、飲み忘れた錠剤のうち近いものをなるべく早く内服し、残りの錠剤を予定通りに内服し、7錠以上飲むまでは性交渉を避けるもしくはコンドームなどの避妊を併用することをお勧めします。低用量ピルの避妊失敗例の多くは飲み忘れによることが多いですのでご注意ください。
A:向精神薬 三環系抗うつ薬の作用が強くなることがあります。精神科や心療内科の先生と相談し、薬の量を調整する必要性があります。
(三環系抗うつ薬:イミドール、トフラニール、アナフラニール、スルモンチール、アンプリット、アミトリプリプチン、トリプタノール、ノリトレン、プロチアデン、アモキサン、テシプール、セチプチリンマレイン酸)
抗てんかんの薬、抗結核薬、抗HIV薬などの薬の効果が弱くなることがあります。これらのお薬を長期にのむ場合には低用量ピルは使用しにくいです。
A:血栓症(血管の中に血のかたまりができる病気)は低用量ピルの内服によっておこる副作用の一つです。内服後3か月以内が最も多く、10000人のうち14.3人です。その後は減少する傾向にあり、内服2年目で7.3人/10000人、3年目で6.3人/10000人となっています。血栓症の病歴がある方や遺伝的に血栓になりやすい方、高度の肥満の方、喫煙数が多い方などは注意が必要です。
A:表に示すような症状が出ることが多いです。ACHESという症状の頭文字をとって表現することがあります。このような症状が出た場合には当院へご連絡ください。緊急検査のできる大学病院などの施設へご紹介する場合があります。
A:低用量ピルを内服している間に、飛行機などの狭い空間に長時間いると血栓症が起こりやすくなります。長時間のフライトになるときは水分を多くとる、お酒などを飲みすぎない、体をなるべく動かすなどの対応をすると良いと思います。
アフターピルに関しては、診療メニュー内の「アフターピル(副作用・種類・値段・注意点)」をご覧ください。
下記について解説しております。